更年期かも

全ての女性が閉経前後になると卵巣機能低下に伴い、エストロゲン(女性ホルモン)が低下し、FSH(卵巣を刺激するホルモン)が上昇してきます。卵巣機能が低下していても、何も症状を感じない方もいれば、ホルモン採血では異常がなくとも、下記に示す症状を強く感じる方もいらっしゃいます。ホルモンだけではなく、社会的・環境的・個人的要因などが複雑に絡み合い、器質性疾患がないにも関わらず、自律神経失調を中心とした多彩な症状を主として生活に支障が出てくるのが更年期障害であるといわれています。

「私、更年期かも?」と外来を受診される患者さんは、みなさんホルモンの採血をご希望されることが多い印象ですが、ホルモン採血はあくまでその周期かつその日の卵巣の状態を表す数値で周期や検査時期によって、非常にばらつきがあるものなので、ホルモン採血で更年期の診断がつくというわけではありません。規則的な月経がある方に関しては、検査の意義はやや乏しくなりますが、卵巣機能をみる一つの評価方法にはなりますので、必要に応じて検査をさせていただきます。

更年期症状

  1. 月経周期異常

    卵巣機能が落ちてくるに従って、はじめに出現しやすい症状です。周期が短くなったり、月に2回月経が来たり、月経間隔があいたりなどの月経不順の症状を示します。出血が頻回の場合は、子宮内膜増殖症や子宮体がんなどの異常も好発してくる年代なので、一度超音波検査や細胞診が必要です。

  2. 血管の拡張と放熱に関係する症状

    ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗など。

  3. そのほかの多彩な症状

    頭痛、めまい、動悸、肩こり、関節痛、ひえ、疲れやすさなど。

  4. 精神症状

    イライラ、落ち込み、不眠

治療

  1. 漢方薬

    天然の生薬を成分とし、全体的な心と体のバランスの乱れを回復させる働きを持ちます。三大漢方と呼ばれる、当帰芍薬散・加味逍遙散・桂枝茯苓丸以外にも、患者さんごとに最適なお薬の提案をさせていただきます。

  2. ホルモン補充療法

    漢方で効果を認めない場合や卵巣機能低下による症状が明らかな場合(ホルモン採血にてFSHの上昇や無月経を認める場合など)に適応になります。

    乳がんの既往がある方、血栓症・脳梗塞・心筋梗塞の既往がある方などには使用できず、肥満や血栓リスクをお持ちの方、高脂血症、糖尿病、高血圧、片頭痛、SLEなどの患者さんには慎重投与となります。

    経口薬、塗り薬、貼り薬などいろいろな製剤がありますので、患者さんそれぞれの状況によって、最適なお薬のご提案をさせていただきます。ほてりやホットフラッシュなどの血管症状には著効しますが、関節の痛みや不眠などの他の症状にもホルモンが少ないことが原因である場合には効果を示します。うつ症状や不眠症状でお困りの患者さんも少なくないですが、ホルモンを補充しても全く改善しない場合には、心療内科や精神科の併診が望ましいです。

    また、更年期世代の患者さんは色々とからだの不調が出てくる時期でもあります。
    症状によっては、原因になるような器質性疾患がないかどうか該当科の受診をお勧めさせていただく場合があります。

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