性のお悩み

女性が性に関して相談できる場所って、本当に少ないというか皆無だと思いませんか？

TENGA　Healthcareさんが運営するセイシルという10代を対象にした性に関しての情報サイトをご存知しょうか。様々な性のモヤモヤを、性を専門とする各職種の大人に相談できる窓口として機能しています。

そこで一番多い女子からの相談が、TENGAさんが運営していることもありますが、セルフプレジャー（マスターベーション）に関する質問だそうです。それだけ、日本女子がオープンに性を語ることができる場所が少ないということの裏返しではないでしょうか。

今の時代、30−40代のお母さん世代の女性が青春を謳歌していた頃より、目まぐるしいスピードで社会構造が複雑化し、子どもたちや若年の女性が犯罪やトラブルに巻き込まれるリスクも増加しているように感じます。

私たち産婦人科医は、大きい病院ではお産や手術で手いっぱいでなかなか性のことまで考たり関わっていく余裕がないのが現状です。
しかし、患者さんとの距離が近い女性の骨盤臓器・外性器を専門とする開業産婦人科医として、やはり性に関しての関わりは避けてはならない分野だと思い、自分の専門的な知識をもとに患者さんのお悩みを一緒に考えて解決していく伴走者としての仕事もしていきたいと思っています。

また、性教育に関しても産婦人科医としてできる活動を少しずつ始めていくつもりです。

当院では、性のお悩み相談の一環として、irohaのグッズを多数取り揃えております。ご興味のある方は、医師もしくはスタッフにご相談ください。

初交ができない

初交前の処女膜はピンと強くリング状の膜がはった様な構造をしています。初交によって処女膜が自然に破れ、腟入口部のスペースが広くなることでセックスが可能となりますが、中には処女膜があつかったり、固かったりして、なかなか破れにくいことが原因でセックスができない方がいらっしゃいます。

静脈麻酔下で処女膜を外科的に切開することで、腟入口部が広がり、セックスが可能となります。

挿入障害、ワギスムス

腟に挿入ができない状態です。
産婦人科の日常診療の中でも痛みや異物の侵入への恐怖感よりお尻が逃げてしまったり、上に持ち上げてしまったり、足を閉じてしまったりする患者さんは非常に多いです。

実際のところ産婦人科診療の中ではあまり重要視されておらず、頻度は明らかではありません。相談の窓口がないままお一人で悩んでいる方や悲しい思いをしたことがある方も多いのではないでしょうか？

本当に、全く産婦人科的な診察ができない方やセックスができない方はまず骨盤内臓器の模型や鏡を用いて骨盤内臓器・外性器の解剖を理解するところから始めます。そして、ダイレーターの挿入を、鏡でみながらトライしていただき、これだけのものが入ると少しずつ自信をつけていくことが大切です。

ダイレーターは細いものから太いものまで色々なサイズがあるのですが、従来のプラスチック製の棒ではなく、当院では女性が心地よく使用できるirohaの製品を採用しています。診察室にて医師もしくはスタッフからご案内させていただきますので、ご希望の方はお申し出ください。

また外性器に物が触れるだけで腟の筋肉をきゅっと縮めてしまう方はリラックスしてヨガのようなゆっくり吐く呼吸が有効です。それでも挿入が難しい様な方には静脈麻酔下でのボトックスの腟壁注射もトライしてみる価値があります。スモールステップで少しずつご相談していきましょう。

性交障害・射精障害

セックスレスや腟内射精が困難なカップルは稀ではありません。問題はお子さんを希望した時です。お子さんをのぞんでもなかなかセックスが難しい、腟内での射精が難しい場合は、シリンジ法、人工授精での妊活サポートが可能です。ご相談ください。