月経関連のトラブル

月経とは

1ヶ月程度の間隔で起こり、数日で自然に止まる子宮内膜からの周期的な出血をいいます。
10−14歳程度から始まり、50歳前後で終わります。

月経開始日より起算して、次の月経開始前日までを月経周期といいます。28−30日程度であることが多いですが、個人差があります。月経異常は症状の異常、周期の異常、持続期間の異常、量の異常、時期の異常に大まかに分類されます。

症状の異常(月経困難症・月経前症候群premenstrual syndrome: PMS)

月経困難症

月経に随伴して起こる下腹部痛や腹部膨満感、頭痛などの症状で、日常生活に支障をきたす場合は、治療の対象となります。月経開始とともに症状が軽快していくのが特徴です。

月経困難症は原因となるような子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などの月経痛の原因になるような疾患の有無によって器質性月経困難症と機能性月経困難症に分けられます。

どちらも低用量ピル、ジエノゲスト、ミレーナ®などのホルモン療法が適応になりますが、粘膜下筋腫や重症の腺筋症ではピルの使用で大量出血することがあり注意が必要です。

2008年にルナベル®が発売となり、続々と後発品が発売となり、今ではだいぶ安価に服用することができる様になりました。ピルを内服することで嘔気、頭痛、胸の張り、不正出血などのマイナートラブルを起こすことがありますが、内服していくうちにだんだんと軽快してきます。

また血管内で血が固まってしまう血栓症を起こすことがありますが、内服していない女性の3-9倍程度のリスクで、妊娠は5-20倍、お産の直後は40-65倍と妊娠出産に比べるとそのリスクは低いといえると思います。血栓症の家族歴、肥満、喫煙などのリスクがない女性は過度に怖がる必要はありません。月経困難症から解放される恩恵は大きいと思います。

PMS

月経前3-10日の黄体期の間に続く身体的・精神的症状で、イライラや怒りっぽさ、抑うつ状態、乳房痛や頭痛、むくみなどが見られます。月経とともに軽快します。治療は低用量ピルで、精神症状がひどい場合は、うつ病に使用するSSRIが有効な場合があります。

月経不順(稀発月経、頻発月経、無月経など)

24日以内に月経が来る頻発月経、39日以上間があく稀発月経、3ヶ月以上月経が来ない続発性無月経、それらの組み合わさったパターンなどさまざまな異常があります。

多嚢胞性卵巣症候群を含めた排卵障害、やせやストレスによる視床下部性のものなど原因はさまざまです。40日程度である程度月経がきていれば問題ないことが多いですが、若年女性の場合、排卵時期の乱れが避妊の失敗につながることや、月経時期が予測できないことによるPMS・月経痛などの原因となることもあり、そういった場合には低用量ピルが有効です。

お子さんの希望がある方で、不順のある方は、排卵誘発剤(たまごの発育を促すお薬)が必要になる場合があります。また無月経の方には早発閉経と言って、卵巣の機能が年齢非相応に低下していることが原因の方が含まれています。超音波検査やホルモン採血によって、しっかりと診断や治療のご提案が可能です。ご相談ください。

持続期間の異常(過長月経)

月経期間が8日以上と長い場合をいいます。器質的な原因としては、子宮腺筋症、子宮筋腫、子宮頸がん、子宮内膜増殖症、子宮体癌など、機能性の原因としては無排卵や周閉経期のホルモンの異常などがあります。

量の異常(過多月経・過小月経)

月経の量が多い場合や少ない場合をいいます。定義上は周期あたり20-140mlの出血量が正常と定義されています。

実際にご自身の経血量をはかりで計測したことがある方は稀だと思いますが、ビタミンレモン(レモンの炭酸飲料)の小瓶がちょうど140mlのようで、これくらいの量は結構出ていらっしゃる方が多いのかなと思いますが、どうでしょうか。

過多月経の原因としては子宮体がんや増殖症などの子宮内膜の疾患、粘膜下筋腫、子宮腺筋症などの器質的疾患(出血の原因となる病気があるということ)や器質的異常を認めない機能性の過多月経に分けられます。

治療としてはホルモン剤(低用量ピル、ジエノゲスト®、レルミナ®、ミレーナ®)や明らかな器質的な異常が原因の場合は手術などがあります。また過少月経は、無排卵に伴うような機能性のもの、器質的な異常では既往子宮手術(子宮体がんの妊孕性温存手術後や中絶・流産・内膜ポリープ手術後など)が挙げられます。

時期の異常

早発月経

10歳未満で月経が起こることを言います。7歳未満での乳房発育、9歳未満での陰毛発生、10歳未満での初経を1つでも満たせば早発思春期と診断されます。小児科の内分泌専門医に紹介します。

遅発初経・原発性無月経

15歳以上で初経が発来することを遅発初経、18歳を過ぎても月経が一度も来ない状態を原発性無月経と言います。

16歳を過ぎても月経が来ない場合は、一度検査をお勧めします。外性器の異常がないか、子宮卵巣があるか、染色体異常がないか、ホルモン的な異常を認めないかどうかなど系統だって検査を行います。

早発卵巣機能不全、早発閉経

40歳未満で、卵巣機能の低下により、月経不順となったり、月経が停止したりする状態です。早い方だと20歳代でも診断がつく患者さんがいます。

卵巣機能の低下により、妊娠が難しくなったり、脂質や骨などに悪影響を及ぼしたりします。卵巣機能の評価にはAMHが有用です。

自分のからだを知ることで、人生の選択肢を増やすことができます。当院のプレコンセプションチェックをご検討ください。お子さんの希望がない患者さんはホルモン補充療法をお勧めしています。ご相談ください。

まとめると

月経のトラブルには低用量ピル、ジエノゲスト、ミレーナなどのホルモン製剤が有効です。

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月経に悩まされず、毎日を快適に過ごせるように、月経に困っている女性には一度当院でのご相談をお勧めします。

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